みんつく党について様々な見解が寄せられていますね。
賛否問わず声が増えることを肯定的に捉えていますが、立場を明確にする為にも考えを整理してまとめてみようと思います。
現代の政治的な集団が成長するには人的・財政的なリソースに加えて社会的な認知度を向上させるための発信力が必要です。
みんつく党の成長の足取りが重いと感じる要因として、対立陣営からの妨害や集団の若さが挙げられますが、それよりも活動の原資が人的にも財政的にも不足している為に発信力を強化できないという点が、停滞を感じさせている最大の原因であると見ています。
そういった中で選挙への出馬に関する要望が増えていますが、地方議会への落下傘や現職議員のリクルートが困難な現状では簡単に求められる結果を残せるとは思えませんし、破産手続きによって支出に制限がある以上経験値の蓄積を目的とした出馬も適切ではありません。
他の政治集団の事例を挙げれば、YouTubeチャンネルを通じて4.5万人の登録者を集め、3000人の党員を抱えて結党した参政党でさえ、一年半後の衆議院総選挙の際には「支持の拡がりに確信が持てない」として候補者擁立を見送っています。
それぐらい初の所属議員を誕生させるのは難しいと考えるべきですし、無駄打ちしない為にも戦略はシビアである事が必要です。
みんつく党の場合係争中の事案を多く抱え、平時とは異なる状況にあることで、候補者集めのハードルが高く、発信力が弱いためにリリースした情報がノイズに埋もれるという問題があります。
更に、それらを打開する為の有効な手段の一つとしてネームバリューのある実力者との協力が考えられますが、政策への賛同以前に団体としての信用を得るという重要な点にも問題を抱えています。
その面でも破産手続きの決定は活動方針を見直すほど大きな痛手だったことでしょうし、現実的に見てそれらの大きな訴訟案件が解決したとしても世間の印象が変わるまでには残念ながらそれなりの時間がかかるでしょう。
政策に関する声が挙がっていることももちろん重要ですし、政治集団である以上独自の政策を掲げて歩く事が当然であるという声は至極真っ当な意見です。
ただ、尖った政策を打ち出して差別化を図ることで、支持者や候補者を募る際に間口を狭めてしまい賛同を得られないというリスクがあります。
更に“NHK党“”破産”。
この二つの印象が先行してしまっており、残念な事に正しい情報が世間では認知されていない為に“よく知らないけど破産したおかしな党”というイメージを持つ人が多いのが現実ではないでしょうか。
そういったイメージを直ちに上書きする術がないのが明白である以上、長期的な視野で物事を捉える方向にシフトする必要があります。
現状は無難な政策を継続して前に出しつつ、キャッチ力のある政策のマーケティングをしっかりと行う。
その過程で経験や知識を蓄え積極的に人脈を広げながら機会に備える。
その方が党として政治的な器が大きくなると私は考えています。
奇を衒った政策を掲げて風呂敷を広げたところで、知識の不足した状態では政策議論もできませんし、何より有権者に不誠実です。
場当たり的に採用した案を頻繁に変えるような事にならぬよう、有識者を混じえて議論を重ねた上で慎重に政策決定して欲しいというのが私の願いです。
まとめます。
現在のみんつく党は党勢拡大の機は未だ訪れていないと見ていますが、仮にその機が明日来たとしたらチャンスを逃してしまうだろうなという懸念はあります。
支持者の方から急げというエールが送られ始めているのはその為なのかもしれませんね。
とはいえ、時間と共に様々な課題や問題が浮上する中で、裁判も含めて現実的に可能なものから一つずつクリアするしかありません。
最優先は、国民に広く声を届ける為の手段をどのようにして持つか。
寄付や人員を募る際にも、政策や理念を伝える際にもかならず大きな武器となる筈なので、適した媒体を選定し、限られたリソースを注ぎ込んで日々トライ&エラーを繰り返す事が来るべき時に向けての重要な鍵になるのではないかと思います。
こう書いていても結局は感情的な話になりますが、複雑で困難な状況下でも心折れずに活動を維持してきた運営陣を、僭越ながら私は大きく評価しています。
この一年は、今後も政治とカネ問題を追求し、正しく戦っていく為の経験を積んだとも言える筈です。
甘いと言われればそれまでですが、不完全でも前を向いて頑張っている姿を応援したくなるタイプなので、強く逞しい集団に成長する姿を見せて欲しいと期待しています。
長々とした駄文ではありましたが、主観に基づく個人的な見解である事を御理解いただけると助かります。
ここまで読んでくださった方ありがとうございました。
寄稿者 じたくん
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